大島莉紗 〜パリ国立オペラ座からの便り〜

パリ国立オペラ座管弦楽団のヴァイオリン奏者によるブログ。

ガラコンサートとデフィレ

一昨日はガラコンサート、そして今日はバレエのシーズン初めであるデフィレが行われました。

 

ガラコンサートは多くのソリストと合唱が勢揃いし、テレビの生中継もあるとても華やかな物でした。

休憩中にアンコールとして、「ラ・マルセイエーズ」フランス国歌を演奏する事が発表されました。マクロン大統領が臨席されたからだそうです。

舞台上からは残念ながら姿を確認できませんでしたが…

 

カーテンコールの最後にオーケストラ全員が起立して国歌の演奏。私達は毎年7月14日の革命記念日に弾いていますが、デュダメルにとっては人生初だった筈。ぶっつけ本番で一番緊張していたかもしれません。

 

それにしても、日本人でありながら君が代を一度も演奏した事はなく、マルセイエーズばかり弾くというのも何か皮肉な物です。もう少し日本でも君が代を演奏する機会が増えればと思うのですが…

 

 

そして今日のデフィレ。こちらもデュダメルの指揮でした。

ベルリオーズのオペラ「トロイ人」のマーチに合わせ、バレリーナが優雅に行進するのですが、毎年バレエ専門の指揮者が振っていたので、舞台に合わせる事ばかりに追われ、音楽は二の次でした。

しかしデュダメルは舞台を見る事もなく音楽に集中し、初めてこの曲が美しいと思えました。

 

女性から始まり、最後は男性の一番古いエトワールで終了するのですが、その尺を合わせる為に最後は一定のメロディーを何度も繰り返します。隣の席の同僚が数えていた所、リハーサルでは13回、本番は少し延びて15回演奏していたそうです。(私は舞台を垣間見るため数えてはおらず)

その15回の間も抑揚をつけて、時には抑えて小さな音で弾かせたり、盛り上げたり。終わるタイミングは大丈夫なのか心配しましたが、そこもバッチリと決まり。

 

今までで一番気持ちが良く楽しいデフィレでした。そして、最後舞台に出てバレリーナに囲まれたデュダメルも嬉しそうでした。

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