大島莉紗 〜パリ国立オペラ座からの便り〜

パリ国立オペラ座管弦楽団のヴァイオリン奏者によるブログ。

1年経ち…

バタバタしている間に1年経ってしまうとは…

前回投稿した去年の9月に、誰が今の様なオペラ座の状況を予想できたでしょう?

あの頃はデュダメルとの今後に期待し、リハーサルに胸躍り…

 

今年の5月にデュダメルの辞任が発表された時は、本当にショックでした。予兆は感じ、辞任も時間の問題とは思っていましたが、これ程早いとは…

家族との時間を増やしたいと言うのが表向きの理由ですが、それだけではないでしょう。本人ではないので真の理由はわかりませんし、ここで私が何かを言及するのは避けますが…

 

4月に行われた彼とのコンサートでは、練習の時からなんとなく元気がなく、音楽的にもイマイチ乗っていない感じでした。シーズン初めに行ったコンサートの時とは明らかにテンションも違う…

コンサートでは聴衆も奏者も熱狂していましたが、私はやはり何かの違和感が抜け切りませんでした。私から見たら演奏も彼の本来の躍動感からは程遠く、残念な印象でした。その様な事から、もうすぐ彼は辞めてしまうのでは?と頭を掠めましたが、周りは気づいてもいない様子で…

 

その直後に5月の彼が振る予定だったバレエの公演を理由もなくすべて降板し、さらに辞任の発表。

私の第六感があたってしまいました。

来年度の彼の予定は全てキャンセルされ、4月のコンサートを最後に2度と戻る事はなくなりました。

 

今後の人選は未定。彼以上の人が就任するのはまず不可能でしょう。やっと音楽的にも解き放たれた感じだったものが、また元に戻るのかと思うとやらせない気持ちで一杯です。