大島莉紗 〜パリ国立オペラ座からの便り〜

パリ国立オペラ座管弦楽団のヴァイオリン奏者によるブログ。

ワクチンパスポート

長い夏休みも終わり、9月から仕事が始まりました。

7月半ばににマクロン大統領が文化施設に働き人と接する仕事をする者に対し、ワクチンパスポートの義務化を決めたので、夏休み中もその対応について色々な疑念や声が上がっていました。

 

ワクチンパスポートの義務化に伴い、今まで無料で行っていた抗原検査やPCR検査も有料になり、オペラ座も組織的に週一度クリニックと提携して行っていた検査を全て廃止する事を宣言しました。

 

現在のフランスはレストラン、文化施設、映画館、デパートなどワクチンパスポートを提示しなければ入る事ができません。

ワクチンを2回済んだ人はQRコードを配布され、それを携帯にダウンロードをし入口で提示します。ワクチンを打っていない人、または打てない人は72時間以内に行われた検査での陰性証明の提示を代わりに求められます。

 

たまにレストランや映画に行く位なら行く前に検査すれば良いですが、仕事で毎日ワクチンパスポートが必要となると、週に最低2回は検査をしなければならず、しかも今後は全て自費となるのでかなりの出費となります。

 

最初はこれを提示しない場合は解雇もあり得るという事でしたが、さすがにそれはなくなり、解雇はされないがサラリーは支払われないという状態です。

 

体質的にワクチンを受けられない人もおり、それを一括りに義務化しても良いものか?人権にもかかわります。しかし産業医を含め、トップは面倒な事は避けたいので全員のワクチン義務化を推奨。組合と大きく揉めています。