大島莉紗 〜パリ国立オペラ座からの便り〜

パリ国立オペラ座管弦楽団のヴァイオリン奏者によるブログ。

写真撮影

昨日は新しい音楽監督が就任した為に、オーケストラの集合写真を刷新すべく、撮影がありました。

 

前任のジョルダンの時には就任中に2回の撮影があり、いずれもバスティーユでした。若々しく斬新なイメージにする為に、1回目の時はホールの座席に皆がバラバラに座り、燕尾服の上着を脱ぎ白いシャツ姿となり、全員がそれぞれ明後日の方向を向くと言う物でした。結果的にジョルダンですらどこにいるのか探すのが難しく、バラバラでよくわからない写真となり、使われる事があまりありませんでした…

2回目はバスティーユの外階段で。こちらは急勾配で幅の狭い階段なのに、本番服で楽器を持たなければならず…ただでさえ楽器を外気に触れさせるのは嫌なのに、人数も多く危険な階段をハイヒールで。その状況がとんでもなく怖くて嫌で、とにかく後ろの方であまり人に触れないように気をつけていました。

 

どちらも2パターン位しか撮影していないのに、並んでポーズを決めるだけで物凄く時間がかかり、3時間近くかかりました。

 

今回も3時間の撮影が予定され、考えるだけでも気が重くなっていたのでした。

そして今回はガルニエでの撮影。以前は今更この古いガルニエでの古臭い写真は流行らないと言われ避けられていましたが、まさにガルニエ内の正面階段と外での撮影が予定されていました。

生憎昨日は雨だった為に、外での撮影は中止。中の階段のみとなりました。

 

時間になってダラダラと正装で集まり始めた団員達。上から階段に出る者と下から出る者とがそれぞれ適当に階段で合流し、何の規則や順番もなくバラバラに固まり撮影準備が始まりました。これだけの大人数で広い所なのに、マイクもなしに指示を出すので、当然何も聞こえず…

かなりの時間をかけ、ようやく形になった所にデュダメルが登場。

全員からの大喝采を受けました。就任が決定してから、オンラインでの挨拶はあったものの、実際に顔を合わせたのは昨日が初めてになります。心からの喜びを皆が表現していたように思います。

 

そこからは本当にあっという間で、撮ったのかもよくわからないままに、終わりですの言葉。30分で終わりました。

 

思いがけずに早く終わり、ラッキーな日となりました。

 

今回の写真撮影でも感じましたが、デュダメルは革新的に見えるけれど、意外とオーソリティーで伝統的な物が好みかもしれません。

来週行う就任ガラコンサートもガルニエですし、バレエのシーズン初日に行うデフィレにも登場します。ジョルダンの時にはあり得なかった事で、これだけでも両者のタイプの違いが顕著に現れているような気がします。f:id:MariaCecilia:20210916203131j:imagef:id:MariaCecilia:20210916203138j:image