大島莉紗 〜パリ国立オペラ座からの便り〜

パリ国立オペラ座管弦楽団のヴァイオリン奏者によるブログ。

来年度のスケジュール

来年度の公演が発表され、リハーサル日程を含めた全てのスケジュールが決まりました。そこから各楽器のセクションで相談し、乗り番降り番などが決まるのですが、バイオリンはとにかく人数が多いので、いつでも一番最後になります。

 

事務局と担当の係が全ての人が大体同じ位の仕事数になるように、また日曜日の出勤も同じになるように調整し、名前のないメンバーの出番表を作り、そこからそれぞれ自分の希望に沿うものを選び、希望が重なる場合はクジとなります。以前は自分の降りたい演目を提出するスタイルだったのですが、それだとあまりに担当者の負担が多かったので、今の様に決められたパッケージの中から少しでも自分の希望に近い物を選ぶスタイルとなりました。

 

降り番の希望の理由としては、演目が嫌い、指揮者が嫌いというのもありますが、やはり家族旅行をする為に休みたいという人がほとんどです。となると自然と学校の休みの時期(スキー休み、秋休みなどフランスはこれが異常に多い…)に希望が重なります。

 

私は年末年始を休みたいので、毎年12月の演目に希望を出しますが、1月2日からフランスは学校が始まる為に、その辺りに希望を出す人は意外と少なく、割と希望通りになる事が多いです。

 

オペラ座には「緑」と「青」の2つのオーケストラがあり、グループの移動は可能です。その目安となるのがやはりこの時期。自分の好きな演目が他のグループにあれば、移動希望を出します。私も入団以来、長年「青」にいたのですが、数年前に「緑」グループでウィーンへのツアーが組まれていた為、絶対にウィーンに行きたかったので移動し、以降「緑」にいます。

 

そろそろ青に戻っても良いなと思っていたのですが、今年の演目を見る限り、私の趣向には緑の方が合う。新監督のデュダメルはそれぞれのグループで1回ずつしかオペラを振りませんが、緑はモーツァルトフィガロの結婚で、青ではプッチーニトゥーランドットです。

 

オペラのオケにいるのに、プッチーニ嫌いな私はもちろんフィガロ一択。そしてモーツァルトシュトラウスが好きなので、ビシュコフとのエレクトラも緑が担当という事で、完全に緑に留まる選択以外はありません。

 

あとはくじ運を上げて、希望通りの自分の降り番を獲得するのみです。