大島莉紗 〜パリ国立オペラ座からの便り〜

パリ国立オペラ座管弦楽団のヴァイオリン奏者によるブログ。

オペラ座

トスカでの事故

トスカの3幕の冒頭に、男の子の歌のソロがあります。毎回トスカをやる時には、二人の男の子が交代でソロを担当します。 声変わりする前のまだか細い声で、大きなバスティーユの舞台でたった一人で2分程の大事なソロ。毎回大丈夫かなとハラハラするのですが、…

トスカ

すっかりご無沙汰してしまいました… 9月からまた新しいシーズンが始まり、こちらもできる範囲内で続けていきたいと思います。 今シーズンからは気分を変えて、青チームのオーケストラに移動しました。元々、青に長くいましたが、緑チームがウィーンにツアー…

フィガロの結婚

今シーズン最も楽しみにしていた演目のひとつである、デュダメルによるフィガロの結婚。 彼の軽快で流れる様なテンポと明るさが、モーツァルトにとてもよく似合っています。 今回の新しい演出では、ガルニエのオペラ座の楽屋や衣装部屋が舞台となっています…

最近の様子

あっという間に12月に入ってしまいました。 今年はこの2年間ストライキとコロナでほぼ全公演が潰れた分を取り戻す為か、異常に公演数が多く、クリスマス、お正月は全くないというスケジュールになっています。私は幸い、一つのバレエを降りているので、かな…

赤と黒

今シーズンの目玉の一つである、バレエの「赤と黒」。スタンダールの小説にラコットが振り付けをした初演作になります。 音楽はマスネーの色々な曲をツギハギして編曲したもの。楽譜を見た瞬間から嫌な予感はしていましたが… とにかく目一杯にお金を使ったで…

ガラコンサートとデフィレ

一昨日はガラコンサート、そして今日はバレエのシーズン初めであるデフィレが行われました。 ガラコンサートは多くのソリストと合唱が勢揃いし、テレビの生中継もあるとても華やかな物でした。 休憩中にアンコールとして、「ラ・マルセイエーズ」フランス国…

デュダメルのリハーサル

明日は、デュダメル就任後初となるガラコンサート。 先日から練習が始まりましたが、彼と音楽を作る事ができる喜びをひしひしと感じています。 あれだけの有名人ですが、とにかく気さくでチャーミング。音楽好きの少年がそのまま大人になった様な感じで、目…

写真撮影

昨日は新しい音楽監督が就任した為に、オーケストラの集合写真を刷新すべく、撮影がありました。 前任のジョルダンの時には就任中に2回の撮影があり、いずれもバスティーユでした。若々しく斬新なイメージにする為に、1回目の時はホールの座席に皆がバラバラ…

シーズン最終日

昨日で2020〜2021年のシーズンが終わりました。2ヶ月しかお客様の前で演奏できませんでしたが、最後の数週間は本当に怒涛の様に忙しく、1年間びっちり演奏してきたかの様な感覚です。 この1週間の間にオペラ座も一気に通常に戻り、観客席も満員。1人一つで快…

お別れコンサート

12年間オペラ座の音楽監督を務めた、フィリップ・ジョルダンのお別れコンサートがありました。 リストのファウスト交響曲とワーグナーのパルジファルの第3幕という、どちらも1時間を超える大曲。普段なら2つあるオーケストラのどちらかですが、今回は特別に…

衣装のセール

オペラ座で使用されていた衣装のセールがありました。数年に1回のペースで新しい演出になった為に使用されなくなった物や、古くなり過ぎて全て新調した為に要らなくなった物なのが、オペラ座の職員や関係者を対象に売り出されます。今回はコロナ禍という事で…

新エトワール誕生

ロミオとジュリエットの初日。 劇場の定員の3分の1である800人の観客でしたが、私は壁の真横にいた為に客席は全く見えず。しかし満席の時と変わらない程拍手は大きく、暖かな気持ちを頂きました。 現在フランスでは、劇場や大きなイベントに参加する為には健…

ロミオとジュリエット

プロコフィエフのバレエ「ロミオとジュリエット」の練習が終わり、初日を迎えるのみとなりました。かなりの公演数があるので、青と緑の二つのグループで分担しています。 この曲は私自身、バイオリンとピアノの編曲版でCDを出していますし、オペラ座でも第1…

来年度のスケジュール

来年度の公演が発表され、リハーサル日程を含めた全てのスケジュールが決まりました。そこから各楽器のセクションで相談し、乗り番、降り番などが決まるのですが、バイオリンはとにかく人数が多いので、いつでも一番最後になります。 事務局と担当の係が全て…

ロックダウン解除へ

パリは19日にロックダウンが解除され、一般のお店がやレストランのテラス席が開き、劇場も800人まで入場する事ができるようになります。10月にコンサートを行って以降、初めてお客様を受け入れる事ができます。 嬉しい反面、この1年以上圧倒的に仕事数が少な…

ブラームス

5月3日はフィルハーモニー・ド・パリで、コンサートのラジオ中継が行われます。と言っても無観客な上にラジオなので、私服です。 私のいる緑ではなく、もう一つの青グループが行うコンサートの為に、私は乗る予定ではなかったのですが、前者のオペラ「繻子の…

Le soulier de satin

今年度の話題作の一つで世界初演のオペラ、ポール・クローデル「Le soulier de satin」(繻子の靴)。今日から練習が始まりました。 7時間もある超大作なので、2つのオーケストラで前半と後半に分けて演奏します。 現代曲で7時間は、とても耐えられないと楽譜…

次期監督デュダメル

オペラ座の次期音楽監督にデュダメルが就任すると、今日発表されました。 現音楽監督のジョルダンが今年の9月からウィーンのオペラに行く事は何年も前に発表されていたものの、その後任については全く音沙汰がなく、気を揉んでいました。 かなり前から3人の…

コロナ禍で変わった事。オーケストラ編

いまや全世界の基準となってしまったソーシャルディスタンシング。イギリスやドイツは2メートルなので、見た目も今までとだいぶ変わりましたが、フランスは1メートル。しかもピット内はやはり狭く、1メートルの距離はとても取れず、50センチ位なので見た目は…

オペラ座の現状

3度目のロックダウン中のパリ。オペラ座は昨年の3月から閉まったままです。 昨年3月の最初のロックダウンの際は、リハーサルも全て禁止されていたので、結局何一つ仕事をせずにそのまま夏休み突入となりました。 10月に仕事は再開されたものの、オペラ座自体…

ご挨拶

以前エキサイトブログでオペラ座での生活について綴っていましたが、徐々にペースが滞り開店休業状態が続いておりました。 とは言え、やはり皆さんにお話ししたいような話もあり、気分新たにはてなブログに引越しをして再開することにしました。 無理のない…