大島莉紗 〜パリ国立オペラ座からの便り〜

パリ国立オペラ座管弦楽団のヴァイオリン奏者によるブログ。

衣装のセール

オペラ座で使用されていた衣装のセールがありました。数年に1回のペースで新しい演出になった為に使用されなくなった物や、古くなり過ぎて全て新調した為に要らなくなった物なのが、オペラ座の職員や関係者を対象に売り出されます。今回はコロナ禍という事で、対象は職員に限られました。

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オペラ座の支配人が変わった為に、今までの物を刷新する意味もあり、今回はセールに出ていた物も多かったのに、来場者が少なく残念でした。

 

ソリストが着る様なドレスは衣裳部の方々が時間をかけて手縫いする様な豪華な物がたくさんあるのですが、私が舞台で着るようなペラペラのドレスとは違い、本当にしっかりとした生地で精巧に作られている為にかなり重く、また歌手は身体ががっちりとしている方が多いので、そもそも私に合う様なサイズはほとんど無く…

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しかし、合唱が着用した普段着の様な物は5ユーロ位からあり、レディースのタキシードや、ワンピースなど普段使えそうな物を買っている人は結構いました。

 

他にも甲冑の様な衣裳や、お面など部屋のインテリアとして置いても素敵そうな物もありました。私もBoris Godunovで使用されたロシア風の毛皮の帽子が5ユーロだったので欲しいなとも思いましたが、舞台用の為かやたらと縦に長く、頭の上に30センチ近くもある物を乗せては歩けないし、片付けるスペースもないので諦めました。

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結局冷やかして終わっただけですが、衣裳には名札が付けられ、あの歌手が着た物だという発見もあったり、なかなか楽しい時間でした。