大島莉紗 〜パリ国立オペラ座からの便り〜

パリ国立オペラ座管弦楽団のヴァイオリン奏者によるブログ。

ロックダウン解除へ

パリは19日にロックダウンが解除され、一般のお店がやレストランのテラス席が開き、劇場も800人まで入場する事ができるようになります。10月にコンサートを行って以降、初めてお客様を受け入れる事ができます。

 

嬉しい反面、この1年以上圧倒的に仕事数が少なく、のんびりとした生活を送っていた身としては、急に以前の様な激務に戻るのは身体が辛い…もう少し徐々に慣らしていく事はできないものかと、贅沢な事を思ってしまいます。

 

以前はお客様を入れる上演にあたっては、休憩時間を設けてはいけないなど、規定がありましたが、今回政府はとにかく「開ける」という事を優先し、それ以上どのように運営すべきと言う具体的な提示はありません。

 

プログラミング上、パリのオペラ座では7時間のオペラle soulier de satin から始まると言うのも、なんとも間が悪い…

 

オーケストラ、合唱、歌手など出演者は今までもずっと毎週の抗原検査を受けてきていますが、これは全て鼻に長い綿棒を入れて行う検査。特に歌手は鼻は楽器の一部でもあるので、敏感で、傷つけたくない人も多くいる様で、検査を拒否してずっと休んでいる人も多くいるそうです。

 

オペラ座の検査を担当しているクリニックがようやく唾液による検査を始めたのですが、これは抗原検査ではなくPCR検査なので、結果が出るまでに2日もかかる為、迅速に対応できないので、取り入れられないと…

ワクチン接種によってこの問題を解決したいと、経営陣は目論んでいる様ですが、ワクチン懐疑者はかなり多く、未知数です。

 

これから夏まで連日の公演が続くので、少ない人数でずっと働いている合唱の方達が疲弊してしまわない事を祈るばかりです。